今回のテーマは『高血圧』です。
担当は薬剤師の小野さんです。
「沈黙の殺人者」——高血圧はこう呼ばれています。静かにゆっくりと忍び寄り、そしてある日突然に心臓病や脳卒中などにより死に至らしめる。それが高血圧です。
高血圧はその95%以上が原因不明で、多くは遺伝的な素因と塩分や脂質の過剰摂取、運動不足、肥満、ストレス、喫煙、アルコールなどの生活習慣の不摂生などが関与しています。
一方、検査により明らかな原因が見つかる高血圧もあります。腎臓病や内分泌(ホルモン)の病気などが関係する高血圧です。これは手術などの治療により治癒させることもできる高血圧です。
高血圧には特有な自覚症状はありません。高血圧は長い時間をかけて進行し、血管を障害していきます。その結果、動脈硬化を原因とした心臓病や脳卒中などの合併症の引き金となります。つまり、何らかの自覚症状が出てきたということは、すでにこれらの合併症を発症しているということで、その合併症による自覚症状の可能性が高いのです。心臓病を例にとると、日本では狭心症や心筋梗塞の原因疾患のトップは高血圧です。これらの自覚症状として多いのが胸の違和感や痛み、また圧迫感や締め付け感などです。しかし、これらの自覚症状は狭心症や心筋梗塞の自覚症状であり高血圧による症状ではありません。つまり、かなり深刻な状態に陥るまでは本人は気がつかないのです。
そこで、おクスリをうまく使って合併症や生命予後を改善することが重要になってきます。(もちろん、食事に気をつけることや運動も大事です!!)
一概に血圧を下げるといっても、その種類はたくさんあります。「尿の量を多くして、血液の量を減らして血圧を下げるクスリ」、「血管を収縮させる物質が、特定部位に結びつくのを遮断し、血管を拡げて血圧を下げるクスリ」、「血管を収縮させる物質を生成する酵素の働きを抑えて、血管を拡げて血圧を下げるクスリ」…
同じ高血圧と診断されても、患者さんによって用いるおクスリはさまざまなので、それぞれのおクスリについて働き方をしっかりと学び、患者さんに分かりやすくお伝えすることができるように、日々勉強していきたいと思います!!
胃薬と聞いて皆さんはどんな病気を思い浮かべますか?
多くの方が、胃潰瘍を思い浮かべるのではないでしょうか。
胃潰瘍とはどんな疾患なのか簡単に言うと、胃液によって胃の組織が消化されてしまう疾患です。
胃の組織が消化されてしまうと言うと、なんてこったああ!!!とお思いになる方もいらっしゃるかもしれませんが、人の胃細胞は絶えず生まれ変わっています。ストレスやお薬など何らかの理由によって胃液の量が増えたり、胃を保護する膜の量が減ることによって、胃の組織の生まれ変わりのバランスが崩れてしまい起こる疾患なのです。
100年に一度の不況と言われる今の時代!!
お仕事などでストレスを感じていらっしゃる方、沢山いらっしゃるのではないでしょうか。
私は、今の世の中に身近な疾患なのかな・・・と思います。
先ほど、胃潰瘍の原因はストレスやお薬と挙げましたが、胃潰瘍を勉強する上で忘れてはいけないのがヘリコバクター・ピロリ菌です。

胃潰瘍患者さんの70〜80%にヘリコバクター・ピロリ菌に感染がみられ、そしてなんと、50歳以上の方では70〜80%の方に感染がみられるのです!!!
ヘリコバクター・ピロリ菌に感染すると胃潰瘍になるばかりでなく、最悪の場合は胃ガンになることがあります。
ヘリコバクター・ピロリ菌をやっつけなくてはいけません!!
といっても、胃の中は胃酸でかなり酸性が強くピロリ菌をやっつける抗生剤を服用しても胃酸でお薬が分解されてしまってなかなか効かないのです。そのくせ、ピロリ菌は自分を胃酸から守る特殊な物質を分泌してバリアをはっているのです。ピロリ菌に人類が勝つのは無理なのか!!
そして考えられたのが、ヘリコバクター・ピロリ菌除菌の3剤併用療法です。
人類の救世主3剤とは!?
抗生剤が2剤とプロトンポンプ阻害剤と言う胃酸を抑えるお薬が1剤です。
抗生剤を2剤使うことで、ピロリ菌をやっつける効果をあげることができます。そして、プロトンポンプ阻害剤と言う胃酸を抑えるお薬を一緒に服用することで、胃の中で抗生剤が分解されなくなるのです。この3剤を一週間服用します。
この3剤併用療法を行うと80〜90%の方でピロリ菌をやっつけることに成功します。
しかし!!ここで大きな問題が・・・
3剤併用療法は、一週間きっちりと服用した場合に80〜90%成功します。
きっちりと!!きっちりと一週間!!
3剤併用療法では、多くの方が副作用の下痢に悩まされ、中には下痢が苦痛なあまりお薬を飲むのをやめてしまう場合があります。
途中でお薬をやめてしまうということは、単にピロリ菌が治らないということだけではなく、耐性菌を出現させてしまいます。(耐性菌とは、抗生剤が効かない菌のことです。)
昨今、医療の世界では耐性菌の出現が大きな問題となっています。私たち薬剤師もこの問題に取り組んでいます。
3剤併用療法で下痢が出ている皆様!!
それは、お薬が体の中で頑張っている証拠なのです!!
一週間、頑張ってみましょう!!!





