新人研修ブログ 脂質異常症(高脂血症)


2007年にガイドラインが改訂になり、
「高脂血症」という記載から「脂質異常症」に記載が変更になりました。が、診断名や薬剤の適応がすぐにかわる訳ではありません。

「脂質異常症」とは血清脂質の量に異常をきたした状態をいいます。脂質は体に悪いものと考えられがちですが、細胞膜の構成成分やホルモンの原料になったりと、体を維持する上でなくてはならない物質です。しかし必要以上に増えすぎると動脈硬化の原因となり、動脈硬化疾患がおきます。

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このようなことから、脂質異常症の治療は、動脈硬化を予防するために行います。動脈硬化になると脳卒中や心筋梗塞などの重大な疾患を引き起こします。
(ちなみに平成18年の日本人の死因は、1位ががん(30.4%)、2位は心臓病(16.0%)、3位が脳卒中(11.8%)となっています。冠動脈系疾患で日本人の約3割が死亡している事実から、
脂質異常症の治療は死亡リスクを軽減させることにつながるのです。
脂質異常症のほかにも、動脈硬化に悪い影響を及ぼす要因はたくさん知られています。これを危険因子と言います。代表的なものに加齢、高血圧、糖尿病、喫煙、動脈硬化による病気になった家族がいることなどがあります。
脂質異常症は自覚症状がないことから、患者さんの薬物治療に対する意識が低いと言われます。
脂質異常症のリスクを、私たち薬剤師はわかりやすく説明し、なぜコレステロールや中性脂肪が高いといけないのか、なぜ脂質異常症の治療をしなくてはいけないのかを、患者さんに十分理解して頂いて、服用コンプライアンスを良くしないといけません。
そのために、薬剤師はいろんな知識が必要で、日々の勉強が非常に大切になってきます。

また脂質異常症の治療薬は、
効果が現れるのが、少なくても3カ月から1年間、ときには一生服用し続けて効果が現れるので、これらの点も患者さんに理解してもらはなくてはなりません。

さて、どういう基準で脂質異常症と診断されるのでしょう。

高LDLコレステロール血症

LDLコレステロール≧140mg/dL

低HDLコレステロール血症

HDLコレステロール>
40mg/dL

高TG(中性脂肪)血症

トリグリセライド≧150mg/dL


以上が脂質異常症の診断基準値となっています。患者さんの持ってこられた検査結果の値を見て、的確に指導できるといいですね。

脂質異常症の治療はまず、
生活習慣の改善が基本となります。

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生活習慣の改善は高血圧、耐糖能異常、内臓脂肪蓄積にも配慮し、
「1.禁煙」「2.食生活の是正」「3.身体活動の増加」「4.適正体重の維持と内臓脂肪の減少」の4項目を柱に行われます。適切な指導と実践で、動脈硬化の進展を予防できることが報告されています。

患者さんに食生活、運動などの生活習慣の見直しを指導するのも薬剤師の大切な役割!マルゼン薬局には2名の管理栄養士がいて、患者さんは気軽に栄養相談を受けることができます。いろんな方面から患者さんの健康をサポートすべく、わたしたち新人薬剤師も少しでも指導ができるように、勉強しないと!

さて、
薬物治療をさわりだけ。
今最も多く使用されているのがスタチン系と呼ばれるお薬です。
(商品名:メバロチン、リピトール、リバロ、クレストール、など)
肝臓でコレステロールをつくらないようにして、その代わりに肝臓からコレステロールを取り込むので、特にコレステロールを下げる効果の強いお薬です。
また、フィブラート系と呼ばれる中性脂肪を下げるためによく使われているお薬があります。(商品名:ベザトールSR,トライコア、リピディルなど)
肝臓の働きを活発にさせてトリグリセリド、コレステロールを下げます。また、2型糖尿病の発症予防もあります。
この、よく使われる2つの薬は重大な副作用として、横紋筋融解症、があります。
これは骨格筋に変化が生じて筋肉の細胞成分が血液中に流れ出す副作用で、
筋肉痛、脱力感、やCPK値の上昇、尿が赤くなったりしていないかに注目して下さい。
しかし患者さんに、「筋肉痛ありませんか?尿が赤いってことはありませんか?」などと尋ねたところ、
「そういえば、最近体がだるいし、筋肉痛みたいな感じはあるなあ。てか、それってなんなん!?私なんか悪い病気なん!?」
と、びっくりされた経験があります。
必要以上に患者さんを不安にさせてしまうことにもなるんだなあ、と思ったのです。患者さんを不安にさせることなく、薬剤師としてしっかりと薬学管理ができるよう、日々勉強の毎日です。