泉岡利於先生 高血圧と脂質異常症

泉岡先生は循環器がご専門で、三大疾患のうち高血圧と脂質異常症についてお話していただきました。

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まず、高血圧について。
泉岡先生より
「ARBを使うメリットは?」と逆質問!
う〜ん、今
現場で最もよく使われている降圧薬であるARBの特徴といえば、副作用が少なくて、降圧効果がマイルドである…、他には、糖尿病の新規発症抑制効果があり、腎保護作用があります。
ある臨床試験で、ARBを長期に渡って投与した場合、用量を上げていくと
降圧効果はプラトーになりますが、GFR(腎保護作用の指標になるもの)は低下し続ける、というデータがあります。よって、腎保護作用は、用量依存的であることがわかりました。また、GFRが小さいと、心イベントリスクも少ないというデータもあります。このことからも、泉岡先生は、「心イベントリスクを抑制するためには、早期からARBを大量投与すべき!」とおっしゃいました。

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また、泉岡先生はβブロッカーをよく使われます。気管支喘息の患者に原則禁忌であったり、副作用に徐脈や心不全をおこすリスクがあり、学生のときに学んだ印象では、βブロッカーは使いにくい薬だというイメージがありましたが、泉岡先生の講義をきくと、心収縮力を回復するβブロッカーは
慢性心不全の患者の予後をよくするお薬だそうで、禁忌でない限り積極的に使う!とおっしゃっていました。

Caブロッカーは、直接血管に作用するので、降圧効果がシャープであり、薬によっては、頓服で出されたりするお薬です。
強力な降圧効果をもち、どのような患者さんでも効果が期待できるCaブロッカーですが、副作用として、反射性頻脈があり、これが問題点で、昔はCaブロッカーは心臓に負担がかかるので、毒であると言われていたそうです。しかし最近の傾向としては、
交感神経を抑えて、輸出細動脈を開くような頻脈の副作用が起こりにくい薬が、良いとされているそうです。

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ACE阻害薬は、ARBが頻用されるのに対して、現在現場ではそれほど頻繁には使われておらず、私自身仕事をしていて、あまり触れないなあ、という印象のお薬です。
しかし、ARBと同様、糖尿病の新規発症抑制効果、腎保護作用を持ち、プラス誤嚥性肺炎の予防作用もあるのです。もっと利用率が高くてもいいお薬なんですが、ACE阻害薬の日本での用量は低すぎるそうです。ちなみに
海外では日本の約4倍(!)の用量を使用しているそう。
また、ARBと利尿剤については、ARBと利尿剤のバランスが大切だそうで、ARBは高用量で、利尿剤は低用量のものがいいそうです。
これは、「心イベントリスクを抑制するためには、早期からARBを大量投与」の考えと利尿剤は日本人にはいつも使っている量の1/4程度がよいからだそうです。

次に脂質異常症についても、お話して頂きました。
2007年にガイドラインが改訂になり、「高脂血症」という記載から「脂質異常症」に記載が変更になりました。そこで診断基準となる値も総コレステロールから、LDLコレステロールに変わりました。
今海外ではLDLコレステロールは下がってきているのに対して、日本はLDLコレステロールの値が年々増加しており、心血管障害や、脳卒中、閉塞性動脈硬化症のリスクが高まっています。これは
70年代日本にファーストフードが上陸して以来、ずっとだそうで、日本のライフスタイルが変わってきているからだ、と先生は教えてくださいました。
お薬の話に入りまして、LDLコレステロールをよく下げてくれるのはスタチン系の薬ですが、中性脂肪を下げるフィブラート系はというと、あまり単独で使いません。

やはり
LDLコレステロールも一緒に下げるということです。
そこで、やはりスタチン系なんですが、 
世界で断トツ一番に使われているリピトールアトルバスタチン)いうお薬は糖代謝に影響を与え、血糖コントロールが悪くなることがあるので、肥満気味の方には他の薬剤に変更したりするそうです。
また、
メタボリックシンドロームと密接に関連しているタンパク質「アディポネクチン
」を下げるといわれているのが、
リバロ、というお薬です。

講義の最後に、先生の日頃の診療で心掛けていらっしゃることは、
「医者らしく!診療所らしく!自分らしく!」そして、「楽しく!」であるとお話されました。
私たち新人薬剤師も薬剤師らしく、自分らしく、そして楽しく、これからも勉強を続けていきます。
泉岡先生、お忙しい中、貴重なお話ありがとうございました。

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