教えてくださるのは元大手メーカーのMRさんで、現在京橋店の管理薬剤師である廣田さんです。
そもそも糖尿病ってどんな病気?
糖尿病は簡単にいえば血糖値が高くなる病気です。血糖の正体はブドウ糖という単糖なのですが、これは体のエネルギー源となる大事な物質です。一般に、このブドウ糖の血中濃度が
① 空腹時126mg/dL以上
② 随時200mg/dL以上
③ 経口ブドウ糖負荷試験(75gOGTT) 200mg/dL以上
上記のいずれかが別の日に行った検査で2回確認できれば糖尿病と診断されます。
血糖を下げる唯一のホルモンがインスリンで、食後の血糖を調節する働きがあります。それに、血中のブドウ糖を細胞内に取り込んだり、脂肪やグリコーゲンに変えて、エネルギーとして蓄える働きがあります。糖尿病はこのインスリンの作用不足によって大きく2つのタイプに分けられます。
1型糖尿病
膵臓のβ細胞というインスリンを合成・分泌する細胞が破壊され、体内のインスリンの量が絶対的に足りなくなって起こります。子供のうちに始まることが多く、以前は小児糖尿病とか、インスリン依存型糖尿病と呼ばれていました。
2型糖尿病
インスリン分泌不足なって起こるものと、肝臓や筋肉などの細胞がインスリン作用をあまり感じなくなる(インスリン抵抗性)ために、ブドウ糖がうまく取り入れられなくなって起こるものがあります。食事や運動などの生活習慣が関係している場合が多くわが国の糖尿病の95%以上はこのタイプです。
糖尿病の主な症状として喉の渇き、尿量の増加、疲れやすい、体重減少がみられます。糖尿病を放置すると合併症が出てしまいます。糖尿病性神経障害、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症を3大合併症と呼び、血糖コントロールをしないでいると、糖尿発症時から10〜15年でこれらの合併症が出てきます。
糖尿病治療の目的はこれらの合併症と動脈硬化性疾患の発症・進展を阻止して、健康人と変わらない生活の質(QOL)を確保することにあります。では、どのように糖尿病を治療していくかと言うと、早いうちなら食事療法と運動療法です。
まずは食事療法。糖尿病と診断されてしまったら、日常の生活強度に合った食事をする必要があります。食べてはいけないものはありませんが、自分にあった分量の食事で、必要とするすべての栄養素を取るように工夫します。
ポイントとしては
1.腹八分目とする
2.食品の種類はできるだけ多くする
3.脂肪は控えめに
4.食物繊維を多く食品(野菜、海藻、きのこなど)をとる
5.朝・昼・夕食と規則正しく
6.ゆっくりよく噛んで食べる

1日に食べる量は、目安としては
エネルギー摂取量=標準体重×身体活動量
※標準体重=身長(m)×身長(m)×22
※身体活動量
軽労作(デスクワークが主な人、主婦など)
25〜30kcal/kg標準体重
普通の労作(立ち仕事が多い職業)
30〜35kcal/kg標準体重
重い労作(力仕事が多い職業)
35〜kcal/kg標準体重
続いて運動療法。
運動療法は以下のことに注意して行います。
・一人で出来る運動を選び、毎日(もしくは二日に1回)同じだけ行う
・ウォームアップとクールダウンをしっかりする
・運動の強さは、きつ過ぎず、楽過ぎず
・食後1〜2時間後に行う
・運動日誌をつける
食事療法、運動療法を3ヶ月続け、なおHbA1Cが6.5%以上の場合薬物治療を行います。
薬物には以下のような種類があります。
・スルホニル尿素薬(SU剤)
・チアゾリジン薬
・α-グルコシダーゼ阻害薬
・速効型インスリン分泌促進薬
・ビグアナイド系薬
血糖降下薬を飲み忘れた場合は、次回に1回分を服用して、決して2回分を一度に服用してはいけません。
糖尿病と一度診断されたら、これからの医学の進歩で完治できるようになるかもしれませんが、今現在では、治すことはできません。一生付き合っていかなければならない疾患ですが、臆することなかれ。しっかり血糖コントロールをすれば日常生活をすることになんの問題もありません。
糖尿病の状態や年齢にもよりますが、普通に仕事もできますし、出産することもできます。 もちろん糖尿病と付き合っていくのは、大変な部分もあるとは思いますが、日常として慣れてしまえば心配することはありません。ですから、自己管理をしっかりして、糖尿病の治療をしっかり続けいく意志を持ちましょう。そうすれば糖尿病は怖い病気ではありませんからね。





