塩野正博先生 『アトピー性皮膚炎』について
20091111


『アトピー性皮膚炎』はアレルギー疾患のひとつで、
かゆみを伴う湿疹が繰り返し、繰り返し出現する病気です。
患者さんの多くは、次のいずれかに該当するとされています。
(1)家族の誰かがかかったことがある
(2)アレルギー疾患である、
気管支喘息・アレルギー性鼻炎・結膜炎・アトピー性皮膚炎のうち
いずれか、あるいは複数の疾患にかかったことがある
(3)IgE抗体を産生し易い体質である
・・・これらを‘アトピー素因‘と言います。
そのため、アトピー性皮膚炎とは、
「アレルギー体質の人に生じた、慢性のかゆい湿疹」で、
乳児では2ヵ月以上、その他では6ヵ月以上継続するものをいいます。
症状として
●急性病変では、
赤くなり(紅斑)、
ジクジクしたぶつぶつ(丘疹、漿液性丘疹)ができ、
皮がむけてかさぶたになる(鱗屑、痂皮)
●慢性病変では
さらに皮膚が厚く硬くなったり(苔癬化)、
硬いしこり(痒疹)ができる
これらは、
おでこ
目のまわり
口のまわり
耳のまわり
くび
肘・膝・手首などの関節周囲
背中
お腹
などに出やすく、特徴的なのが左右対称性に出ることです。
そして、何よりも辛いとされるのが“かゆみ”です。
治療においては、この“かゆみ”を出さず、
快適に生活できるようコントロールすることが
一番の目的とされています。
そのためには、
薬物治療
スキンケア
が重要であり、
薬物治療では、個々の症状に応じて
●ステロイド外用薬
●タクロリムス軟膏
いずれか、もしくは組み合わせて用いられます。
これらの塗り薬によって、皮膚の炎症を抑えます。
たまに、
『ステロイドを塗ると副作用で肌が黒くなる』ため、
『長いこと使いたくない!』
とのご意見を頂戴することがあります。
でも、これは、世間での誤った認識なんだそうで。。。
ステロイドは皮膚の色素産生を抑えるため、
肌の色はむしろ白くなります。
日焼けの炎症が治ると色素沈着が起こるように
アトピー性皮膚炎も炎症がおさまった後は色素沈着が起こるそうです。
これが『肌が黒くなった』『ステロイドの副作用』
であると誤解されやすいんだとか、、、
でも、むしろ『ステロイドがよく効いた証拠』。
自己判断せず、医師の指示通り使用することが
かゆみコントロールへの近道です!
また、
●抗ヒスタミン薬
●抗アレルギー薬
これらののみ薬によって、辛い皮膚のかゆみを抑えます。
大きな副作用はありませんが、一部、
・眠気のでるもの
・緑内障や前立腺肥大症の方では使用いただけないもの
があります。
必ず、医師または薬剤師にご相談ください。
スキンケアで大切なことは、
皮膚を清潔に保ち、水分と油分を補給すること。
毎日の入浴・シャワーと保湿剤の使用で、炎症を予防することが出来ます。
また、軽い皮膚炎であれば、保湿剤のみで改善することもあるそうです。
その他として、
●室内を清潔にし、適温・適湿を保つ
●新しい下着は使用前に水洗いする
●洗剤はできれば界面活性剤の含有量の少ないものを使用する
●爪を短く切り、なるべく掻かないようにする
引っ掻くほど、皮膚炎は悪化しかゆみもひどくなります。
『かゆみの元』をなるべく取り除くよう、工夫しましょう。
処方された塗り薬・のみ薬は、
その時々の症状に応じて、
その患者さんのために
お医者さまが選んでくれたお薬です。
かゆみが治まったからといって
自己判断で使用を止めたり、
処方されたお薬を他のひとにあげたりすることは
絶対にしないでください。
かゆみがひどくなったり、
場合によっては思わぬ合併症を引き起こすことがあります。
お薬と上手に付き合って、かゆみをコントロールしましょう♪
薬剤師にお手伝いできることがあれば、いつでもご相談ください。
最後に。。。
ご多忙の中、ご講義くださった塩野先生、
どうもありがとうございました!
沢山の質問にもお答えくださり、
とても勉強になりました♪
また、宜しくお願い致します!!






